イベント取材に行ってきました!
下手賀沼の生態系の観察や船泊の歴史を学び、下手賀沼の保全について考えよう
NPO法人しろい環境塾は、環境の悪化が進む白井市などの北総地域で、里山の自然や耕作放棄された田畑を再生・保全する事業に取り組むことにより、次の世代により良い環境を引継ぎ、安らぎのあるまちづくりに貢献することをめざしています。今回のこの活動は「TOTO水環境」の助成を受けて開催されました。遊船に乗り下手賀沼の景観・水・生息する生きものの観察や、船泊の歴史を学び、下手賀沼の保全について考えました。
白井の下手賀沼 船上観察会に集ったみなさん。
白井市保健福祉センター玄関前に集合し、マイクロバスに乗り込みました。とってもいい天気に恵まれましたよ!
船上観察会のコーディネーター、しろい環境塾の興津さんから、今日の流れを説明いただきました。
乗船場所の川の停車場は、毎月第3土曜日産直軽トラ市&フリーマーケットが開催されています。
印西市観光協会ホームページ(外部リンクしています)
六軒大橋側にある、川の停車場(第2発着場)から乗り込みます。
もちろん除菌スプレーと体温計のチェックも実施されました。
さて、乗船です。この瞬間が一番ワクワクしますね。
この事業の中心地となる千葉県印西市の木下、大森地区は、その昔「木下河岸」として、江戸時代から明治時代にかけて、利根川の下流域と江戸を結ぶ、中継地として、この木下地区は栄えていました。このプロジェクトは、このような歴史がある豊かな自然環境、水辺を活かして、街を活性化させていこうという目的で立ち上げられました。市民有志により「NPO法人いんざい水の郷ネットワーク」を設立し、舟運事業を中心として、まちづくりを進めていこうというプロジェクトです。
歴史資源、自然資源、伝統の食などの地域資源を活用し、この歴史と文化に育まれた中心市街地等と、新しい街である千葉ニュータウン地域が相互補完する一体的なまちづくりを目指しております。
「いんざい水の郷ネットワーク」では、今後、河川敷に花を植えるなど、水辺環境を整備していき、ますますこの事業も町も活性化させていきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。理事長 柴崎 達夫
〈出典:いんざい水の郷ネットワークホームページ(外部リンクしています)〉
船頭「てっちゃん」が、この川の成り立ち等々を分かりやすく説明してくれました。
このパンフレットには、水辺に住む水鳥たちや、地元名産飲食店も紹介されています。
六軒川から印西中央公民館(第1発着場)、弁天川方面へ出発~!!
この界隈の歴史から雑学まで何でもご存知です!「てっちゃん」の軽快な説明は、とっても楽しくなってきます。
六軒橋高架下を通過するだけでも、情報は数多あります。
岸辺から撮影するコブハクチョウとは全く違いますね!川めぐりの醍醐味でした!
取材撮影日(11月下旬)で約100羽のコブハクチョウが飛来しているそうです。
コブハクチョウのオアシスは数ヶ所に点在していました。岸辺からでは見えないかも・・・。
威嚇されています。近くには子供らしい2羽が。
手賀沼の水質調査もこの船上観察会の大切な作業です。
水面水質検査をしろい環境塾ベースキャンプに戻って実施します。
3箇所サンプルを採取し、pHとCOD検査をするそうです。詳しくは後ほど。
下手賀沼航行途中の橋上から、手賀沼周辺サイクリングツアー中のみなさんが手を振ってくださいました。
乗船観察会は11月下旬霜寒の水辺は、太陽光もキラキラして気持ちいいんです!
北総地域の自然は、風は冷たいですがどこまでも穏やかで、気持ちのいい景色を満喫できます。
下手賀沼にも生息する「ハクレン」が船の音に驚いてジャンプする光景も見られます。川めぐりの最中に船に体当たりしたり、思わず“乗船”することもあるそうです。
スクリューの後にジャンプする事もよくあり、
一斉に数匹のジャンプも見つけました。
これ、合成写真ではありません!!
下手賀沼下船所に到着します。今回の乗船観察会は、上り下りで満員になるほど参加されていました。
ここから「川の停車場」向けに乗船されるみなさんが待機されていました。
下手賀沼の漁師さんが、この時のために漁をされ、戻ってきてくださいました。何が入っているのかな?
下手賀沼では、モツゴ・タイリクバラタナゴ・カワエビなどが収穫できるほか、
天然うなぎです!この個体は400g位あるそうです。過去には1kgオーバーもいたとか。漁獲量は激減しているそうです。
ここから合流された皆さんが「川の停車場」に向けて出発!いってらっしゃーい!!
風の音しかありません。
国指定重要文化財「滝田家住宅」
国指定重要文化財「滝田家住宅」の蔵も立派ですね!
国指定重要文化財「滝田家住宅」
桁行9間(17.3メートル)、梁間5間(10.4メートル)の規模を有し、寄棟(よせむね)造、茅葺屋根が特徴的な古民家です。
床上は「ざしき」・「かって」・「なんど」・「げんかん」・「なかのま」・「おく」と明治時代になってから増築された「新座敷」で構成されています。また、軒廻りには出桁(だしげた)をまわして「せがい造」としていますが、これは18世紀後半に式台玄関(しきだいげんかん)を付けた際に改造されたものとみられます。建物が建築された年代を示す資料は発見されていませんが、建築手法や各種資料から見て17世紀中頃から後半に建てられたと推定されています。
滝田家は江戸時代以来、平塚地区の船戸に居住を続ける旧家で、滝田家住宅はこの地に建てられてから300年以上の年月が経過しています。現在、千葉県内に所在する国指定重要文化財の古民家で居住を続けているのは、ここ滝田家のみです。
※見学を希望する場合は、事前に生涯学習課文化班047-492-1123までご連絡ください。(外観のみ見学可能です。)
ご当主自ら、古来からの農機具を説明してくださいました。
国指定重要文化財「滝田家住宅」は見学できますが、事前に連絡されるようお願いします。
しろい環境塾ベースキャンプは、とても気持ちいい木立の中にあります。
これからの活動内容について説明を受けました。大人向けと子供たち向けに分かれるようです。
市役所職員の皆さんから、下手賀沼でサンプリングした水質観察の説明がありました。
ハイ、チーズ!!
サンプリングした水のpH(ピーエイチ:水溶液の性質をあらわすひとつの単位です。)を観察します。
採取した水を、検査容器に吸い込ませます。
上手くできたかな?
子供たちもパパやママも、慣れない採取に挑戦中!
COD(シーオーディー:簡単には酸化した際に消費される酸素の量)も観察しました。
大人向けの講師には、しろい環境塾第二代理事長増木豊氏。平塚地区の今昔物語をお話してくださる語りべです。
その増木さんを先頭に環境塾周辺の散策に出発!
旧街道だそうです。まだまだそのまま残っているんです。貴重ですね。
この近隣には様々な神仏殿があります。
下手賀沼船上観察会に参加された方々から、「手賀沼汚かった」「いつもとは違う景色だった」「異国な感じがしてよかった」「初めて参加したがよかった」「思ったより楽しめた」との感想もお聞きしました。
NPO法人しろい環境塾が主催・開催されるイベントでは、いつも真摯に取り組むお姿やご配慮をいつも勉強させて頂いています。取材する度に自然の豊かさ、自然の強さ、自然の怖さなど普段では気付かなかった事も体感させて頂いています。体感しなければ分からない事、しろい環境塾でハリの先ほどですが幾つか教えて頂きました。
NPO法人しろい環境塾渡邉理事長を初め、しろい環境塾の皆さまに心からの敬意と心からの御礼を申し上げます。
~取材日:2020年11月28日~
NPO法人しろい環境塾(ホームページにリンクしています)