永年の洋裁経験と職歴から培った知識と技能で洋服作りに真摯(しんし)に向き合い、厚生労働省委嘱の「ものづくりマイスター」としても県内学生にものづくりの大切さ・楽しさを長年伝えてきたことが高く評価されました。

「現代の名工」廣谷 きくゑさんにお聞きしました

Q：受賞を振り返っていかがでしょうか？

今まで全てのことに全力投球して参りました。今改めて思い返せば、20代の頃に、本当にこの洋装という道に進もうかどうしようか迷っていた事を思い出します。洋装の道に進む前に、実は違う方面でやりたい事があったのですが、縁あって繊維関係に就職したことで、この洋装の世界にめぐり逢い、オーダーメイドの世界に飛び込んで行きました。でも、オーダーメイドという世界は簡単ではなく、本当にミシンで真っ直ぐ縫うことも大変な作業です。必死で技術を学んで修得して、そしてたくさんの苦労を乗り越えて、ようやく一着縫えるようになれた事を思い出しますね。

ファッションにとても興味のあった頃、ちょうど海外の高級ブランドが日本に流通され始め、当時はとても華やかに思える時代で、様々な高級生地を見ることも多かった事も大変勉強になりました。現在では化繊、合成繊維が圧倒的に多いのですが、当時は高温多湿の日本の気候に適した天然素材が多く出回りました。欧州からの天然生地が国内でも出回り加工できていましたので、私もブランド試作品やブティックでも製作させて頂きました。技術的にも、挑戦することで技術レベルがどんどん深まっていったことと思います。

この度の受賞は、与えられた素材そのものの本来持っていいる風合い、光沢織りの特色があり、持ち味そのものを活かして服作りに真摯に向き合ってきたことです。

最近感じられる事としては、少しずつオーダーメイドも盛んになってきているという実感もあります。そういう意味では、良い時代が来るのではないかと思えてなりません。又以前のようにお客様が、良い商品を求めるようになってきました。ファッション性のあるもの、着心地の良いもの、個性的なもの等個人の要望に応じて製作しています。

Q：紳士物も仕立てられたりされますか？

私の専門は、婦人・子供注文服です。紳士服のお直しは、できる範囲であればできますが、仕立ては婦人服とは異なります。紳士服は別世界ですね。仕立てる場合は、紳士服専門の技術者を紹介させて頂く事もあります。

婦人小物の製作にも携わっています。婦人服のオーダーメイドは、ただ作るだけでは成り立ちません。お客様の好みを聞き形にするまでには、経験と知識も豊富でなければならない事があります。ものづくりって終わりはないですね！

Q：廣谷さんにとって「おしゃれ」とはどんなものですか？

はい。それはビタミンと同じく必要ですね！栄養剤と同じで、活動的になるためにもおしゃれは重要な要素ですよ。今のこの時節柄、ご自宅におられる事が多くなっていると思いますが、衣料というものは不可欠です。年齢を重ねる毎に「おしゃれ」は必要になってきますね。「装う」ことは、栄養剤となってきます。

Q：婦人服や紳士服の仕立てについて、相談に乗って頂けますか？

はい。私は全国技能士連合会マイスター、厚生労働省ものづくりマイスターや1級技能士の資格もありますので、なにかあればご相談にお越し下さい。いつでも、お待ちしています！

Q：白井市の皆さんへメッセージをお願いします。

白井市は「健康文化都市宣言」を発表されましたね。女性が楽しく輝くことは重要です。そして女性だけではく、皆で健康で生きられるように楽しくなれる気持ちを持つ事が必要です。

廣谷さんが経営されている「アトリエ・ヒロタニ」は、池の上にあるオーダーメイド婦人服／リメークのお店です。

アトリエ・ヒロタニ（ホームページにリンク）

白井市池の上1-16-4

TEL・FAX：047-491-5145

E-MAIL：formeyou_kikue@yahoo.co.jp
営業時間：10：00～18：00
定休日：日曜
最寄駅：北総開発鉄道白井駅より徒歩７分