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きらめく人たちにインタビュー

「サンレイ工機株式会社」最優秀企業賞受賞!

令和5年度千葉県経営革新優秀企業として最優秀企業賞を受賞しました。

サンレイ工機株式会社 代表取締役 津覇 浩一氏

令和5年11月28日「令和5年度千葉県経営革新優秀企業表彰」が執り行われ『最優秀企業賞』を受賞されたサンレイ工機株式会社の津覇社長を取材しました。

令和5年度千葉県経営革新優秀企業表彰について
中小企業が経済環境の変化に対応し、持続的に発展するためには、経営革新計画を策定し、新たな商品の開発や生産方式の導入を行うなど経営革新に果敢に挑戦することが必要です。
そこで、県では、平成19年度から、経営革新の取組を通じて他の模範となる実績を達成した企業を経営革新優秀企業として表彰しており、今年度は11月28日(火曜日)に、受賞3企業に対する表彰式を行いました。

※出典:千葉県ホームページ

津覇社長にインタビュー!

 

最優秀企業賞

『幅広カーボンクラッドロールの量産化を可能とする

製造体制の構築』

Q:受賞おめでとうございます。サンレイ工機ではどの様な事業をされていますか?

 

主に炭素繊維という素材を用いて大手化学会社と30年以上前から協力し合い、精度よく材料を引き延ばすために使用するカーボンロールの設計・製造をしています。当社の独自製法により、高機能フィルム市場へのカーボンロールの供給シェアは70%以上と推測しています。

 

Q:カーボンというと、炭素繊維のことですね?

 

炭素繊維を分かりやすく申しますと、皆さんが目にする釣り竿やゴルフシャフト、テニスラケットなどで使用する材料がカーボンといわれている物です。

柔らかくしてしなやかに強度を保つことが、炭素繊維の普通の特長なんです。しかし同じ炭素製品でもそれぞれに特長があり、人の手で曲げられる材料や曲げることができないような材料もあります。

 

Q:カーボンロールの設計・製造に取り組み始めたのには何かきっかけがあったのですか?

 

お取引いただいている大手化学会社の方から相談があり、釣り竿を作ろうとしてもゴルフシャフトを作ろうとしても、原料特性により全く製品にならず、産業機械の何かに使えないか」とご相談をいただいたことが始まりでした。ロールはいかに真っ直ぐで、たわまないように作るかが一番大事なことなんです。

 

そこで相談をいただいた際に「炭素繊維をロールにできないか?」と試行錯誤しながら作り込んでいったのが、私たちのカーボンロールなんです。通常ロールはアルミや鉄・ステンレスなど金属を利用して作りますが、長くなればなるほど、細くなればなるほど、地球には重力がありますので、必ずたわんでくるのです。「たわみ」といってもシャーペンの芯一本分とか、毛髪の半分ぐらいの細かい世界なんですよ。

 

Q:市場が広がり始めたのはいつ頃ですか?

 

ブラウン管テレビから液晶テレビに変わる頃から注目され始めました。液晶テレビは様々なフィルムがおり重なっているのですが、光を吸収して反射しないような加工がしてあります。現代では横から見ても液晶テレビも見えますが、昔の液晶テレビは真正面から見えない時代もありました。

 

今ではパソコン画面を隣の人に見られないようになっていますが、全てフィルムの仕事なんですよ。この様な偏向フィルムが大量に出るようになり、注目されるようになりました。そういう光学系フィルムに対して日本の競争力で世界の下支えになったことで、一定の評価をいただくことができました。

9.2mある電柱のような長さのロールを軽量化製造に成功したことで、液晶テレビに使用するフィルムの製造や材料支給に関して利用されるようになり、日本が9割ぐらいのシェアを持っています。そういったフィルムを作ることで、一定の評価をいただき受賞できたものと思います。

 

次に、電気自動車のバッテリーにはプラス極とマイナス極がありますが、その間に入れるセパレータフィルムという材料が入っています。今では世の中でも非常に必要な部材の一つになってきています。世界中で脱炭素化が進み始め、自動車バッテリー製造が間に合わなくなり、大量に製造しなければならないと「セパレータフィルム」製造に対してもカーボンロールが使用されています。

「カーボンロール」が未来技術遺産に登録

 

2018年のことですが、国立科学博物館が実施している「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」に、当社が開発した世界最長クラスのカーボンクラッドメッキロール「カーボンロール CARBOLEADER」が登録されました。登録番号第00251号で、今後遺産として残すものの中に選んでいただきました。

重要科学技術史資料(未来技術遺産※)の登録制度とは
国立科学博物館では、「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ科学技術史資料」及び「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を図るために、関係する工業会及び学協会と協力して、調査研究活動を従来から行ってまいりました。これらの資料は、近年の科学技術の急速な発展、技術革新や産業構造の変化の中でその本来の意義が見失われ、急速に失われようとしています。国立科学博物館では、このような資料の保存を図るとともに、科学技術を担ってきた先人たちの経験を次世代に継承していくことを目的として、重要科学技術史資料の登録制度を平成20年度より実施。
※未来技術遺産(愛称):過去の科学技術史資料のうち未来へ引き継ぐべき遺産として名づけた愛称

《「平成30年度 国立科学博物館『重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)』19件の登録について」より抜粋》

自動車レースのプロペラシャフトに着手

まっすぐ高速回転で回す技術が確立できた頃に、モータースポーツで自動車レースのプロペラシャフトに着手することになりました。レーシングカーのプロペラシャフトは約1万回転で回転するのですが、これが今から10年ぐらい前はヨーロッパが独占されていました。今から10年前に使用するエンジンの規格が変わりヨーロッパ製のシャフトがエンジンの振動で全部折れてしまったそうです。

 

開幕レースまであと半年を切っていて、エンジン新規格になった空気の密度を高くする過給機(ターボ)を使用したレーシングカーではもたないと、間接的に相談があり当社で半年間で開発することになりました。スーパーGTという自動車レースに参戦するNISSAN NISMOチームから開発援助に来てくれて夜通しでセッティングし、開幕に間に合わないと徹夜して作製して成田空港に担いでいき手荷物で預けたりしながら、なんとか開幕戦に間に合わせることもありました。

 

NISSAN NISMOチームでは全て当社のシャフトを使用され、共通部品とされています。

Q:嬉しかったことがあれば教えてください。

 

当社の主力はこのカーボンロールで、このロールを使っている業界の中では、ある程度の信頼をいただいていると思いますが、モータースポーツに参加したことで皆さんに説明しやすくなり、興味を持っていただけるきっかけにもなりました。

 

車好きの人が求人に応募して来てくださるんです。人事採用から会社認知度・会社のアピールにつながり、従業員のモチベーションもアップしましたね。もちろん開発にも苦労して試行錯誤しましたが、それもNISSAN NISMOチームとの協働で開発につながりました。今となってはビッグデータがありますので、「今までの苦労も、これからの新たな道筋だったのだ」と思いますし「やってよかった!」仕事だと思います。

 

この高速回転ねじりは、他のロールメーカーではやらないことを克服できて、本業でのアピールポイントにも結び付けられたと思います。

 

Q:サンレイ工機の会社内の雰囲気はいかがですか?

 

異業種から来て最初は全く経験のない社員ばかりですが、彼らの開発力が会社を引っ張ってくれていると思います。社員を十分信頼しているので「しっかり頑張れよ!」というよりも頼りにして応援してる感じですね。確実に黙々と仕事をする事が好きな人達が一番大事です。当社の社員はとても真面目で、誰もお願いしてないのに、自ら気付いたことを率先してやってくれる人を大事にすべきだと思います。

 

Q:社長の夢は何ですか?

 

量産品という工程は金型かロールで作るのが大半で、シート状のものはロールで生産されます。従ってロールは世の中に深く関わっていてその中で当社の優位性を出せるのはたわみが少ない長尺ロールです。鉄のロールを全てカーボンロールに置き換えられるとしたら、それはとても大きな夢になるんです。価格の壁や、規模や環境もあるかもしれませんがカーボンロールを携えて、違う市場を探してPRに行きたいと思っています。

 

津覇社長、ありがとうございました。

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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