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きらめく人たちにインタビュー

「伊藤順一 ピアノ・室内楽コンサート」開演前☆ご本人を独占取材

白井市在住の世界的ピアニスト伊藤順一さんが「ピアノ・室内楽コンサート」開演前にインタビューに応えてくれました!

2023年3月18日、白井市文化会館かおりホールにて「伊藤順一 ピアノ・室内楽コンサート」が開催されました。開演前にも関わらず取材に応じてくれた伊藤さんに、コンサートの内容や聴き所また近況などを伺いしました。

伊藤さんは第4回日本ショパンピアノコンクール第1位、第18回フレデリック・ショパン国際コンクール本大会出場など、数々の優秀な成績を収めています。カンセイ・ド・アシヤ文化財団の第一期オフィシャル・サポート・アーティストです。

伊藤順一 ピアノ・室内楽コンサート

▼出演者
ピアノ…伊藤 順一
ヴァイオリン…柳田 茄那子
ヴァイオリン…田中 李々
ヴィオラ…七澤 達哉
チェロ…広田 勇樹

▼演奏曲目
ショパン:幻想即興曲、ワルツ、別れの曲
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲第2番 ほか

伊藤順一さんにインタビュー

Q:2022年の活動を振り返っていかがでしたか?

 

定期的にコンサートを開催させて頂きましたし、音楽関係では、ほぼ新型コロナ感染対策前のような活動が再開できたと思います。

 

Q:イベントなどでの公演もあったのですか?

 

イベントは特にはありませんでしたが、自主企画系のコンサートでしたり、別の演奏者に呼んでいただいて演奏しました。

 

Q:練習はご自宅でされているんですか?

 

自宅が基本ですね。一番集中して練習できるのは自分のピアノと自宅なので、なるべく家に居る時間を作っています。レッスンとかで外出したり東京の方に出向かないといけない日も多いですけど、家にいる日をなるべく作って、時間に関係なく練習に集中しています。

白井市での初コンサート

Q:今日のコンサートについてお聞きします。

 

今回のコンサートでは、メンデルスゾーンとドヴォルザークを演奏します。

 

奏者の皆さんは同級生でして、高校や大学から一緒なんです。皆さんそれぞれ活躍されている奏者です。楽器ごとの中では、一番信頼の置ける仲間です。

 

以前からたまに一緒に演奏会をやっている仲間で、去年末にもこのクインテット(5人)で演奏会をしたのですが、全員の日程が合わない中、何とか本番を迎えました。そこでクインテットで曲についてもっと深堀をしたいとの想いが残りました。今回この白井市での公演の機会を頂けたので、もう一度5人で演奏ができないか?ということで集まりました。

 

今回のコンサートではクインテットの前にソロとトリオも予定しています。ドラマチックな曲で最後まで盛り上がるので、楽しんでいただきたいです。 ピアノだけじゃない他の楽器も生で楽しんでいただけたらと思います。

Q:コンサートでの聴き所を教えて下さい。

 

今回は白井市での初めてのコンサートなので、私の演奏を初めて聞いてくださる方も多いと思います。 私のソロでは、ちょっと有名な曲で耳にしたことがある曲を用意しました。

 

今回いらしていただく方とばったり市内のスーパーでお会いした時に「こういう曲を弾いて」ってお願いをされまして(笑)、知っている曲を教えていただきました。皆さんが、どこかで聞いたことあるっていう王道の曲を今回演奏しようと思います。

 

徐々に耳が音楽に慣れてきたら、メンデルゾーンはすごくメロディーが入ってくるといいますか、聞いてて心地も良いですし、美しいのと響きがちょっと日本人の波長と合うような感じもあると思います。

Q:演奏する楽曲は一緒でも演奏者によって変わってくるんですか?

 

もちろん変わります。人それぞれ個々が持っている生体のリズムとか性格があるように、音楽にも長調や短調といった調性があります。日本の曲ですと民謡はどうしても暗い曲が多くて明るい音は少ないので、短調の曲(暗い響き)は日本人にはなんとなく馴染みやすいとか、文化の違いも同じだと思います。

 

私は、ちょっと落ち着いた暗めの曲の方が自然に体とつながる感じがします。早いテンポだったり明るい曲調はちょっとムリをしないといけないことはあります。

 

ピアノによっても変わります。ピアノコンクールの時にはメーカーを選ぶのですが、選ぶ基準は相性や波長など本当に感覚的なものです。簡単に言えば「楽か、無理するか」みたいな感覚なので、説明のしようがないです。

 

今日も演奏会の会場の雰囲気を、音によってどうして行くかを演奏者全員が自分たちで考えます。それによって感動の最後のつり上げ方が変わるので、 お客様の呼吸も見ながらタイミングを見計らって「こっちだよ」って持っていき、お客様と一体になると、すばらしい感動に繋がります。

Q:ピアノの講師もされていらっしゃるそうですね?

 

以前通っていたヤマハ音楽院のヤマハマスタークラスで、毎週のレッスンはヤマハの講師がされているんですが、それとは別に月一回レッスンをしております。場所はヤマハだったり、生徒さんが予約した都内の音楽スタジオでレッスンする事もあります。コンクール目前の生徒さんのレッスンに赴く事もあります。あと年齢に合わせて、例えば子どもさんでしたら、ピアノを開けて中を見せたりして、また来たいと思えるように遊びながら楽しくレッスンをすることもあります。

Q:今後の予定など教えてください。

 

これからもコンサートとレッスンも引き続き開催します。今年の秋には新作CDをリリースする予定になっていますので、もっと多くの皆さんに知ってもらえるような活動を続けていきます。

 

Q:白井市内でよく通うお店や、気になってるお店はありますか?

 

白井駅北口にある「ポワリエ」さんのクロワッサンやケーキが好きです。フランスには長くいましたけど、ポアリエさんのクロワッサンやケーキが、かなりフランスで食べられるものに近いんです。クロワッサンは特にそうですね。自宅から近いところにあるのが嬉しくて、都内の有名なパン屋さんよりも美味しくて、本当にフランスで食べてた時の食感や軽さとか素晴らしくて(笑)! 個人的に大好きです。

Q:白井の皆さんにメッセージをお願いします。

 

私は梨と白井市の落ち着いたところが好きです。白井市民としては新米ですが、音楽を通して白井というまちを全国の皆さんに知って頂けるように、活動を続けていきたいです。

 

Q:ピアノを頑張る白井っ子にメッセージをお願いします。

 

ピアノコンクールに参加する皆さんは審査される事になってしまいますね。間違えずに弾くことも大事なポイントですが、一番はやっぱり、自分はこう弾きたいというすごく強い気持ちや曲を楽しんで弾くことです。そうでないと審査員には伝わりません。

 

弾く曲のこの場所が好きだなとか、その好きっていう気持ちを音にしてみようとか、もし悲しい場面だったら自分の気持ちに悲しさを加えてみるなど、そういう想いがそのまま音に乗って伝わると思っています。

 

伊藤順一さん、ありがとうございました。

取材日:2023年3月18日


伊藤さんに取材をさせていただくのは今回で2回目です。また素晴らしい音色を聞くことができ感動ばかりで言葉もありません。

 

前回は約2年前、「第18回フレデリック・ショパン国際ピアノコンクール」の予備予選に出場される前でした。その模様は以下からご覧いただけます。

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。