きらめく人たちにインタビュー
白井市在住の画家、友廣芯(ともひろ しん)氏は35歳から絵を描き始め、一度でいいから国立新美術館に飾られたいという夢を持たれたそうです。その夢を叶えたいという思いと、もしかしたら叶えられるかもしれない・・・やがて二科展を始め、あらゆる絵画展で入賞を果たし、夢を現実に。
友廣 芯(生年月日:1981年4月30日 血液型:A型)
【友廣 芯(ともひろ しん)】
2016年より公募展にて活動。2021年に入りアムステルダム、gallery2511、gallery美庵BIAN等グループ展にて活動。
≪経歴≫
2021年 千葉市民美術展覧会 奨励賞
日美展 秀作
世界絵画大賞展* 入選
*8月23日(月)~30日(月) 東京都美術館にて開催の「第17回 世界絵画大賞展」に展示
2019年 日美展 準大賞 集英社賞
世界絵画大賞展
日本の自然を描く展 入選
二科展 入選
2018年 全日本アートサロン絵画展 佳作
日美展 国際文化カレッジ賞
千葉二科展 県教育長賞
日本の自然を描く展 入選
二科展 入選
2017年 全日本アートサロン絵画展 入選
日美展 入選
千葉二科展 奨励賞
日本の自然を描く展 入選
二科展 入選
2016年 全日本アートサロン絵画展 入選
ある新聞を見ていた時に、絵画の公募記事を見ました。それは国立新美術館に飾られるという公募記事で、自分が描いた絵をそこで飾って欲しい、と思ったことがきっかけになりました。私は昔から絵が好きだった事と、そして「国立新美術館に飾られたい」という夢を叶えたい、もしかしたら叶えられるかもしれない、と思って応募しました。
クレパス画なのですが、キリンのように首が長くて人間の顔をした人間みたいな絵です。少し幼稚な感じではありましたが「2016年全日本アートサロン絵画展」に入選し、国立新美術館に飾られ夢が現実となりました。この絵画展には、サクラクレパスが協賛されていました。私は幼少期よりクレパスには強い思い入れがあって、この絵画展に応募したいと思いました。幼少期は親が忙しく働いていたので、幼稚園に最後まで残る事が多く、クレパスでお絵かきをして待つことがほとんどでした。でも当時、私はこのクレパスでお絵描きする時間が大好きだったのです。クレパスに愛着を持つ理由を挙げるならば、クレパスで絵を描いていると褒めてもらうことが多くてこれが嬉しかった。幼少期から使っていたので、相手への伝え方も慣れているっていうのもありますし、やっぱりほかの材料よりはうまく描ける気がしますね。
油絵や水彩画が主流なのですが、クレパスだからこそ描ける「表現の可能性」をぶつけて見たかったのです。公益社団法人二科会が主催する二科展に出展しますが、クレパス画という作風がどのように評価されるかは私自身わかりません。クレパスは発色が悪く、どうしても油絵とか水彩画などに比べると、色彩に欠けることはわかっています。今回のこの作品の場合は、目を強調したかったので白黒ではありますが、モノトーンで表現することによって、見る人に訴えかける力がやっぱり、大きくなると思っています。色彩を使うことも1つの方法ではありますが、白黒のモノトーンで表現することによって訴える力っていうのは、大きくなると私は思います。それにプラスして今回は、目の色だけを変えることによって目が強調されることで、大きくもなるし、その目が力強く訴えかけると思っています。理由として目のために白黒で描いている事もありますが、白黒で表現する事で訴えかけることが大きなふり幅の意味でも私は好きな色ですね。多色で表現するとすごく簡単だと思います。色を重ねれば、これはライオンだ、と誰でもすぐに分かりますね。同じように人を書いてれば人ってわかりますね。でも私はライオンだ、人だという概念を完全に排除したい。この絵を見た人が何って思うのか、その人に決めて欲しくて、その人が見たときに何って思うのか感性の幅を広げて概念を取り外したいのです。このライオンであるかもしれない人かもしれないし、違うものかもしれない。
もともとのモチーフは、ライオンらしいライオンですが、人によって見えるのは人かライオンか、人によって見え方が違っていいと思いますが、この絵を見て下さった方が抱える「それぞれのもの」の大きさを、どれだけ大きくするのか、出来る限り深いものにしたいです。その深さを象徴できるように書きました。
私はいつも目を先に描きます。この仮面に覆われている何者かは、この仮面の裏にある痛み・重み・深みを、私自身が感じ取れるように目を書き、命を先に与えて、感謝を与えて、色々な事を背負わせながら 描いていきます。いつも目を見て会話しながら描くことによって、命を吹き込んでいきます。
第105回記念二科展に出展します。8月20日頃に審査があり、結果は1週間程度で郵送されてきます。もし入選すれば9月1日より国立新美術館で展示されます。
目の色だけを変えることによって目が強調されることで、大きくもなるし、その目が力強く訴えかけると思っています。
白黒で表現する事で訴えかけることが大きなふり幅の意味でも私は好きな色ですね。
元々抽象画から始め、途中違うジャンルにも取り組んでみたのですが、結局抽象画に取り組んでいるうちに、二科展で入選させて頂けるようになり、抽象画の方が良いと思えることもあります。抽象画を描いているうちに、絵具を使って実験感覚で書いている事が楽しくなり、自分に合っているようにも思えて描いていく事が多いです。また元々動物を描くことが好きで、スチームパンクという画風がありまして、時計の機械や蒸気機関車のような、蒸気が発生する鉄パイプに煙を描いたりしますね。それは元々工場夜景をカメラ撮影していた事もあり、工場をカメラで撮るのが好きで無機質なものが好きなのです。特に工場は無機質の塊みたいでとても楽しいですよ。無機質なものとは、人間が作り出したものなんですが、何も感じなければ無機質なままだけれども、目線を変えてみれば、それは「美」であり「動」でありさまざまな見方ができるモノに変化する。命を吹き込めるというか、そういうのが好きで、そこでスチームパンクいうのがあるって言ったときに、それにハマって動物とスチームパンクを融合したものを描くという作品にも取り組みました。
私は写実画は全く描けませんし、デッサン画も描けないです。鉛筆で絵は全く描けないんですよ。これも練習などで描いている年数によって違うのかもしれませんが、例えば美術を学ぶ学生さんであれば、デッサンをやって基礎やって、土台を築いてその上で何かをしています。必ずデッサンとかは上手なのですよ。しかし私は全くの自己流で、想いのままをキャンバスに描いています。私はあくまでも個人的にですが、学んでしまうと描きたいもの分からなくなりそうです。
誰もいません。私は絵が好きだけど、画風を見たら真似をしてしまうので絶対に見ないです。すごく影響されやすくて、自分でもびっくりするほど影響を受けてしまいます。好きな画家を挙げるとするならダリです。知っている画家を挙げるならゴッホ、ダリですね。ほかの画家は見ませんけど、以前にも同じことを聞かれましたが、全くわからないのです。
まずは二科展に出展することが大きな挑戦で、もしこの絵が二科展で認められたらすごく嬉しいです。しかし二科展で入選されなかったとしても、今突き詰めようとしているこの画風で挑戦して行きたいと思います。他の展覧会に公募展に出展したいと思っていますし、グループ展を始めとして、個展も開催したいと思っています。自分は動物と無機質なものの組み合わせを極めていきたいです。私の作品を見て下さった皆さんにいろんなものを感じてもらいたいと思います。
友廣氏の作品をご覧になる皆さまへ一言お願いします。
私の描いた絵で、1つでも何かを感じて心に響くものがあれば嬉しいです。
自己表現をすることは臆病な者たちにとってはとても怖いこと。世の流れを知り尽くす、長であるが故に自分の本当を隠し統率を保つために、自分を犠牲にしなければならない。もっと自由に自然を走り回るはずだった自分を映し出す。内に秘める炎を隠していかねばならない。
今いるこの世で、自分を出していく強さを持てる大切さを、各々が自身を大切に主張していける勇気を・・・。
仮面をつけたライオンのような姿をした、この者を直視して自身の鏡としてみたとき、自身の二面性や他者の二面性を問われているように思います。ライオンであるか、またはライオンのような人種であるのか、人間の内に秘めた二面性をご覧になる皆さんにおまかせします。ご自身のアイデンティティを受け止められますか?
画家 友廣 芯
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