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アマチュア写真家の佐藤 紘さんが3年半の歳月をかけて発刊した『白井のなし』写真集!

私にとって写真とは、ふたつある生き甲斐のひとつです。

写真集を発刊した佐藤紘さん。快く撮影に応じてくださった「梨農家」さんの梨園で撮影しました。

新型コロナウイルス感染症が2019年から流行し外出が制限される中、同年8月頃から撮り集めた四季折々の「しろいの梨」がとうとう写真集になりました!

アマチュア写真家、佐藤紘さんにインタビュー

Q:白井のなし写真集を発行するきっかけを教えて下さい。

 

新型コロナウイルス感染症が2019年から拡大し、外出が制限され日常の生活が一変しました。運動不足にもなりますので、自宅周辺に散歩コースをいくつか設けました。新たな散歩コースをまわる中に、ちょうど梨畑を通るコースが気に入りまして、そこで梨農家さんにお会いしました。

 

「梨の写真撮らせてもらってもいいですか?」とお尋ねしましたら「良いですよ」ってことで、それからスタートしたんです。カメラに理解のある方で、ご本人は撮影もお好きで時折カメラ器材の話題にもなり、写真の話などにも広がりました。頻繁に撮影に行くようになって2020年8月頃から撮り始めました。

 

それから約3年半をかけて撮影を重ねて撮りためた写真をまとめ、2024年にこの写真集を発行しました。

春の梨畑には受粉のために、お手伝いをするミツバチが忙しく働いています。(写真提供:佐藤紘さん)

Q:「白井のなし」写真集ができた時はいかがでしたか?

 

東京で同じように活動している方が写真展を開催され、その写真を写真集にされたことを知り、「じゃあちょっと自分でも写真集を発行してみよう」と思い始めて1年後、梨を撮り続けた活動の集大成になったことは嬉しく思いました。

 

Q:写真集を発行するのに何枚くらい撮るのですか?

 

1日で、200枚程度撮影します。多い時では1週間に3回行き、少なくとも1ヶ月4回は行ってましたので、約1万枚は撮ったのではないかと思いますね。収穫時期や春の「なしの花」が咲いた頃は、少なくとも1日200~300枚は撮影します。まずはその中から、自分で選んでいかないといけませんので、それが結構大変なんです。その中から自分で気に入る写真は2、3枚しかありません。

夏の梨園。太陽を浴びて大きく育つ梨は日々成長を続けています。(写真提供:佐藤紘さん)

Q:編集する中で、構想はありましたか?

 

この写真集を発行するにあたって、月ごとにまとめていかなきゃダメだと思っていました。

 

12月~3月頃までで月50~100枚程度、花が咲く4月頃になると200~300枚の中から選ばなければならず、5月~7月頃は変化が少ないので撮影枚数も少なくなるんです。その後収穫時期を向かえると、撮影枚数も増えるという四季の繰り返でした。

 

写真選定は、師事する写真家の先生にお願いしました。

写真家 佐藤 仁重(さとう よしえ)氏に師事

 

私は毎月写真教室に通っています。毎月組み写真として4枚ずつ持っていき、佐藤先生に講評していただいて、撮影角度など詳細な撮影手法などを学ぶという指導を受けています。先生には、この写真集の監修をお願いし写真選定や構成、順番など全てお任せして写真集が出来上りました。

 

写真集では、収穫が終わり葉が散った11月頃から載せています。写真集の最終ページに書いてあります「あとがき」を元にして、佐藤先生に構成をしていただいておりますので、ぜひ白井市図書館でご覧いただければ嬉しいです。

秋の「しろいの梨」が収穫を待っています。(写真提供:佐藤紘さん)

Q:しろいの梨を撮影するために、どのような事に気をつけましたか?

 

作業をする梨農家さんを被写体にしている写真は結構あるのですが、自然体で作業してるところを追いかけていました。

 

写真集にも載せていますが、特におばあちゃんとの親子写真については、お願いして撮らせてもらいました。

 

Q:今後の展望、第二弾の夢はありますか?

 

上手くいくかどうか分かりませんが、落花生です。落花生の畑を耕しているところから収穫までを、今追いかけている最中なんです。芽が出てきた時に農家さんから連絡をいただいて、写真を撮りに行く予定です。

 

花が咲いて、落花してから落花生になりますよね。実になって引っこ抜いて、洗って乾燥させなきゃだめなんです。一連の作業を取り続け9月頃には収穫まで終わるので、追いかけてみたいと思っています。

辺りは静まり返った冬の梨園。梨農家さんは冬の梨畑に、この季節だからこそ必要な作業をすることで、毎年美味しい「しろいの梨」を実らせるのです。(写真提供:佐藤紘さん)

Q:写真を始めるきっかけは?

 

写真は子供の頃から好きでした。高校の修学旅行の時に親がカメラ買ってきてくれて「これ持って行ったら?」この一言がカメラとの最初の出会いです。当時のカメラはフィルムカメラでコンパクトな機種だったんです。大学の時は山によく行っていましたので、一緒にカメラを持っていき写真を撮っていました。就職してからはカメラとは疎遠になっていた時期もありましたが、ある時に一眼レフを買ったんです。

 

ミノルタSRT101というカメラで、当時とても人気のあるカメラでした。子ども達の写真も幼少期は撮影ができていましたが、仕事に追われる日々にカメラからを手に持つ時間もなかったです。本格的にカメラをやり始めたのは、完全にリタイアしてからで約10年くらい前です。結構長い時期仕事していましたからね。現在は「デジカメサークルつつじ」に参加させてもらい、カメラを買って本格的にやり始めたんです。

「白井のなし」写真集は、白井市立図書館に所蔵されています。

白井市立図書館の案内カウンタ奥の「白井市郷土行政資料」の棚に置かれています。

佐藤さんは「白井を(しろい)と読んでくれない。白井を漢字にして、読み方を知ってもらい、梨をひらがな表記しました。タイトルには結構が時間かかりましたね。」と話されました。

Q:白井のなし写真集のどんなところを見てもらいたいですか?

 

梨の実(花)が小さい時は、上を向いているものもあることをご存知ない方が多いです。また、秋の収穫後の枝は上に上に伸びようとするんです。そして梨農家さんの冬の作業のところですね。見て欲しい写真は、私はやっぱり花の咲いたときの梨ですね。梨の花は現代では、桜とほぼ同時に開花するようなってしまっています。春夏秋冬の「しろいの梨」の姿を見て感じていただける写真集であればうれしいです。

 

佐藤さん、ありがとうございました。

【最後に】郷土写真家の佐藤紘さんの「白井のなし」写真集には、普段眼にする事のない四季折々の梨畑の風景、梨農家さんの我が子を手にするかのような描写が、作品の至るところにふんだんに盛り込まれています。白井市の特産品「しろいの梨」の成長過程がこの一冊に集約されていて、何度も見返したくなりました。取材をさせていただき、心から感謝申し上げます。

取材日:2024年5月25日

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。