一度は読んでほしい本特集
ご存知でしょうか、新紙幣に肖像画が描かれる人物のことを・・・?
白井市立図書館の司書の皆さんに「これ絶対読んでほしい!」というお勧めの本を教えていただくこのコーナー。
2024年1月は、来る7月3日に新紙幣が発行されることにちなみ、新札に描かれる人物にフォーカスをあてた本の紹介です。
小学5~6年生向けと一般向けに各1冊ずつ選んでいただきました。
図書館では、「お札が変わる!~2024年、約20年ぶりに『新紙幣』発行予定~」と題した企画展示を行っています。あわせてご覧ください。
楠木誠一郎/著 ・講談社/出版者
2024年7月3日、20年ぶりに新たなデザインの紙幣が発行されます。
新一万円札は、「日本近代資本主義の父」と呼ばれ、日本経済の礎を築いた渋沢栄一(実業家)。
新五千円札は、日本初の女子留学生として渡米し、女性の地位向上に力を注いだ津田梅子(教育家)。
新千円札は「日本近代医学の父」として知られ、国内外での感染症予防と治療に貢献した北里柴三郎(細菌学者)。
名前は知っていても、どんな功績を残した人たちなのか、詳しく知らない人も多いと思います。
最近はキャッシュレス化も進んでいますが、この機会にあらためて、今日の日本を支える先駆者たちの偉大な功績をたどってみてはいかがでしょうか。
新紙幣に関する情報は、国立印刷局のホームページでも紹介されています。
また国立国会図書館では、近代日本の形成に影響のあった、政治家、官僚、軍人、実業家、学者、芸術家等1,000名以上の肖像写真を電子展示会「近代日本人の肖像」として紹介しています。
今回の新札に選ばれた3人の方も紹介されています。
植松三十里(うえまつみどり)/著・PHP研究所/出版者
近代日本の女子高等教育の先駆者である津田梅子(元治元年(新暦1864年)~昭和4年(1929年))は、千葉県ともゆかりが深いことでも知られています。
梅子は、下総国佐倉藩出身の農学者・教育者である津田仙の次女として、江戸で生まれます。
女子教育の大切さに早くから理解を示していた父・仙の薦めもあり、日本初の女子留学生として岩倉使節団最年少の6歳で渡米します。長い留学生活で高い英語力と西洋の知識・教養を身に付け、優秀な成績で帰国した時は、日本語をすっかり忘れてしまっていたといいます。
梅子が帰国した当時の日本は男性優位で良妻賢母が美徳の社会。女性の地位は低く、日米の文化の違いや日本社会の常識に、梅子は大きな疑問と違和感を覚えます。
女性としての生き方が限られ、自立が難しかった時代において、梅子は女性の社会的地位と女子教育の向上のために人生を捧げ、仲間の協力を仰ぎながら、自らの理想とする女性のための学校創設に力を注ぎます。
幾多の壁にぶつかりながらも、時代の波に屈することなく自分の志を貫き通した梅子と、社会での女性の活躍に着目し、梅子の類まれなる才能を導き出した父・仙。ふたりの生涯を描いた一冊です。
白井市立図書館では、新たな紙幣の顔となる渋沢栄一・津田梅子・北里柴三郎の功績やお金に関する本を展示しています。
ぜひ図書館に足を運んでいただいて、ご覧ください。
図書館の詳細は下記で紹介しています。