白井市プラネタリウム館
白井市市制施行20周年記念事業 白井市文化センター・プラネタリウム第30回天文講演会「トークライブはやぶさ2最前線」が、白井市文化センターなし坊ホールで開催されました。宇宙に想いを馳せる市民の皆さんが、はやぶさ2に携わってこられた研究者のお話を夢中で耳を傾けていらっしゃいました。
トークライブはやぶさ2最前線には、約190名の皆さんが参加されました。
新型コロナウィルス感染予防対策として、体温測定や体調管理も行き届いていました。
事前に申し込みされた皆さんが、続々と来館されてきます。
ソーシャルディスタンスも職員の方の対応でスムーズに!
入場時には「はやぶさ2」に関する掲示などもあり、宇宙好きな編集者もワクワクしちゃいました!楽しみ~!!
世界で進められている研究を紹介する資料掲示もありました。全世界中の研究者が宇宙を眺め、英知を結集した研究が進んでいるのですね!
1994年7月にオープンした白井市文化センター・プラネタリウム(直径12M、86席)は、2015年5月2日、G1014si投映機から光学式とデジタル式を兼ね備えたシステムに更新しました。光学式プラネタリウムクロノス2※(五藤光学研究所社製)デジタル式プラネタリウム ステラドームプロ(アストロアーツ社製)クロノス2※は、ヒトの目で見ることのできる最大数 約9500個の星が奥行きのある美しい星空を再現し、ステラドームプロは時空を行き来することのできる躍動感のある宇宙を表現します。機器は更新しましたが、星空の解説のスタイルは更新前と変わらず、全て生解説です。後半はオート番組なることもあります。美しい星と広い宇宙を再現する「マシン」といつもの「白井」が、皆さまのお越しをお待ちしています。
「出典:白井市文化センタープラネタリウム館」(外部リンクしています)
※2の表記正しくは、ローマ数字
白井市文化センタープラネタリウム館では、「撮影・録音したり」「携帯・ゲーム機を使ったり」「足を前にかけたり」することはできません!
開演前にじねんじゃーからもお願いがありました!
トークライブはやぶさ2最前線には、白井市笠井市長も参加されご挨拶がありました。
「今年市制施行20周年を迎えますが、この白井市プラネタリウム館は市制施行よりも前に完成されており今年で27年目を迎え、これからもプラネタリウム館を利用頂けるよう様々に取り組んで参ります。この講演をきっかけに白井市の空に、そして宇宙に関心を高めて頂ければと思います。今回の講演会にご参加下さいました皆さまに御礼申し上げます。」
トークライブはやぶさ2最前線の講師、総合研究大学院大学教育開発センター 小松睦美先生(左)、千葉工業大学惑星探査研究センター 千秋博紀先生(右)。
お二方は、はやぶさ2の同じチームで研究されていたそうです。同じTシャツを着ていらっしゃいました。
2014年12月地球を出発した「はやぶさ2」は、2018年6月リュウグウに到着しました。2回のリュウグウへのタッチダウンのほか小型探査機分離成功などの成果を収め、はやぶさ2のカプセルは2020年12月に地球に帰還しました。
そして今年2021年6月中旬、はやぶさ2が持ち帰ったリュウグウの砂礫(されき)の分析から有機物や水が発見されたと報じられました。一方、はやぶさ2は次の目標天体「1998KY26」に向けた拡張ミッションに入り、現在宇宙空間を飛行中です。
今回は近赤外線カメラの運用や着陸地点の検討、リュウグウ「1993JU3」の砂礫分析などを担当し、最先端な観点を交え、ホットな話題を語って頂きます。
「出典:白井市文化センタープラネタリウム」
千葉工業大学惑星探査研究センター主席研究員 千秋 博紀(せんしゅう ひろき)先生
千葉工業大学惑星探査研究センターの取り組みとは、
惑星探査研究センター(PERC)メンバーは「はやぶさ2」のほぼ全ての搭載観測機器の開発と検討に参画しています。和田浩二主席研究員は2019年4月「世界初の人工クレーター形成」に成功した衝突装置の開発とそのサイエンス検討を担当しました。衝突装置によって人工クレーターを形成することには、より始原的で太陽系初期の情報を保持していると考えられる物質が存在する小惑星の内部を覗く「窓」をつくるという意味があります。さらに、本物の小惑星標的で衝突実験を行うという、天体衝突の科学を推進するうえでも大変貴重な機会となりました。ただし、「はやぶさ2」は衝突装置の破片を避けるべく小惑星の背後に避難するため、衝突の瞬間は残念ながら「はやぶさ2」本体から観測することができません。そこで「その瞬間」を観測するために小型のカメラを分離し、衝突によって生じる放出物の様子やクレーター形成過程を撮像する計画を立て、見事成功しました。その分離カメラの開発に石橋高上席研究員が大きく貢献しました。また、レーザー高度計の開発と科学応用検討を竝木則行前副所長(2014年4月から国立天文台教授)が主任科学研究者として牽引し、それを用いた小惑星周囲の塵の検出という他に類を見ないユニークなサイエンスの検討を千秋博紀主席研究員が主導しています。その他にも、小惑星の観測に必要不可欠な光学航法カメラの開発と観測の検討に山田学上席研究員が大きな役割を果たしています。
「出典:惑星探査研究センター」(外部リンクしています)
クイズ「小惑星探査機『はやぶさ2』はどれでしょう?」
天体ファンならスグ答えられちゃいますね!「はやぶさ」といえば?野鳥ファン、鉄道ファンで分かれるところ?!1はアカツキです。
はやぶさ2の大きさは、1m×1.6m×1.25m(本体)で、軽自動車と同じくらいの大きさなのだそうです。予想より小さかったです(笑)太陽電池パドル展開幅は、6m!!
リュウグウという小惑星は丸くなく、そろばん珠のようで予想以上に真っ黒な天体だったそうです。サンプリングするために行ったタッチダウンは、例えば地上20km上空から、舞浜にある「夢の国」の駐車場に軽自動車をピタリと止める程の精度を必要とするそうです。
はやぶさ2と地球との通信時間には40分位の差があるため、先を読みながらコマンドを送信する必要があり、最終的にははやぶさ2が自分で考え判断していたそうです。
千葉工業大学惑星探査研究センタースカイツリーキャンパス(外部リンクしています)には、実物大の「はやぶさ2」模型も展示されているそうです。
総合研究大学院大学教育開発センター 小松睦美(こまつ むつみ)先生
総合研究大学院大学教育開発センターとは、
優れた研究者に求められる「高い専門性」、「広い視野」、「国際的な通用性」を兼ね備えた人材の育成が本学の目標です。そのためには各専攻における専門教育に加えて、研究者としての素養を高めるための全学教育も欠かせません。本センターは、全学教育の実施・支援や、本学の教育に関する調査分析等を通して、本学が理念として掲げる研究者人材の育成に貢献します。
「出典:総合研究大学院大学教育開発センター」(外部リンクしています)
さて、問題です!「宇宙から降ってくる物質の1年間での量はどれくらいでしょうか?」・・・えー!そんなに?!
近年では「習志野隕石」も記憶に新しいところですね。もしかしたら、気づかないだけで、ご自宅の庭などに落ちているかもしれませんよ。隕石だけで年間約10トン落ちているそうです。
習志野隕石は、すぐに回収されたものもありますが、20日後に見つかったケースもあるそうです。そして白井市内でも見つかる可能性があり、当時の光を見ると大きな隕石であったと計算されています。ご自宅のお庭を見てください!
すぐに回収した隕石と比較しても、20日後に回収された隕石は、赤く鉄サビのような色をしていますね。こんな石、お庭に落ちていませんか?!
現在予定はないそうですが、はやぶさ3を実施したいと思われる研究者は、多くいらっしゃるそうです!
謝意:白井市市制施行20周年記念事業 白井市文化センター・プラネタリウム第30回天文講演会「トークライブはやぶさ2最前線」は、宇宙に興味を持つ老若男女の皆さんが多く参加されましたが、比較的大人の方が多かった事が印象的でした。新型コロナウィルス感染拡大に先が見えない時節、ご辞退された方々も多かった事と思います。
科学への興味を持つ事とは、小・中学・高校生徒とは限りません。年齢に関係なく、なぜ?を、追い求められる深い学問だと思っています。
白井市文化センター・プラネタリウム館では、いつでも宇宙に関する、なぜ?を知ることができ、近隣にはないとても貴重な施設であり、とても誇りだと考えます。次回このような講演が開催された際には、ぜひ足を運んで頂ければと思います。
第30回天文講演会「トークライブはやぶさ2最前線」に参加された皆さま、ご講演頂きました先生方、白井市文化センター・プラネタリウム館の皆さま、取材をさせて頂き、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。